雨でも頑張りました

前回の京都支部、沖縄本部との合同ライドイベントの2日目を記していきます。

沖縄の天気予報は外れやすいと聞いていたのにも関わらずその当てが外れ、一週間前から変わらなかった雨の予報は殊更に強い雨をもたらしました。

恥ずかしいことに私は雨が大の苦手で、小雨であっても自転車には乗らない性格です。

サイクルジャージの中にゴミ袋を着込み最低限の体温調整の対策を終え2日目のライドがスタートしました。

今回のルートは宿泊先のエコステイ東村から329号線をずっと南下し、那覇まで戻るおよそ100kmのルートでした。

しかし雨の影響を考えると下り坂でのスピードアップはご法度、そして予想外に上り坂の過酷さにグループ全員のスピードが上がらない調子でした。第一休憩地点であるわんさか大浦パークまでの17kmを、1時間30分もかけるスローペースに、私の中で立てていたタイムスケジュールが音を立てて崩れ去っていきました。こうなっては目標を「時間通りにゴールする」ではなく、「皆さんが怪我なく雨のライドを乗り越える」と方向転換しライドを進めました。

しかし、はじめに弱音を吐いたのは私でした…たとえ雨でも沖縄の気温があれば寒くなることは無いだろうと甘く考えていた罰が当たり、体温の低下を止められず脚が思うように回らない始末でした。そうなっては恥もプライドも捨て、まだまだ元気のあり余っていた高校生メンバーの一人に上り坂で背中を押してもらうように頼みました。雨の中のライドでこそ人の本性がよく見えました。雨のライドも特別だと楽しむ方や、とにかく黙々と怪我をしないように慎重に走る方、景色を見る余裕のある方もいらっしゃったりと言葉を交わさなくても多くの事が見えてきました。その中でも一番驚かされたのは、私の背中を押してくれた高校生メンバーの一人でした。彼はこのイベント1日目にはフォトアタックとして様々な動画等の撮影を頼み、私の想像以上の頑張りを見せてくれた人でしたが、今度は私の方から何も頼まなくてもメンバーとコミュニケーションを積極的に取りながら体調やその時々の表情を見てくれていたようでした。そしてグループから遅れたメンバーがいれば率先して声をかけたり、背中を押してあげたりと、雨のせいで余裕のない私に代わり、彼自身ができる最大限の仕事を果たしてくれました。そんな彼の様子を見ている内に、1日目に彼をフォトアタックという簡単な仕事しか任せてあげられなかった事を後悔しました。

昼食は道の駅ぎのざ内にある「ファーマーズラボ」でハンバーガーとスープをいただきました。先行していたグループは既に昼食を終え、先に再スタートしました。そして私達が昼食を終えたときには2時45分、雨はだいぶおさまり止むのは時間の問題となったところで、同じグループで走っていたメンバー二人が当初の予定通り離脱、その中にはあの高校生も混ざっていたので少し寂しい思いもありましたが、今度は私がグループ一人ひとりに気配りをする番が来たのだと自らを鼓舞しまた走り始めました。

昼食後のライドは想像よりも快適で、濡れていた路面が乾き始め皆さんのスピードもそれに比例するかのように上がり始めました。なにか目立ったトラブルやハプニングもなくこのまま那覇のゴールまで迎えられると思っていましたがそうは行きません。今回のグループで唯一の女性がコザ十字路からイオンモールイカム店に続く長い上り坂に苦戦、それまで何度も先頭メンバーと離れては私が背中を押して支えていたことも負い目に感じていらっしゃったのか、私に対して「どうぞ私の事は置いて行って下さい」と弱音を吐いていました。しかしavgの良い所でもあり悪い所?でもある決して一人では走らせないというクラブのモットーを胸に、背中を押す回数は減らしましたが絶対に彼女一人を置いて前を走ることはしませんでした。グループで走る楽しさを感じてほしかったこと、一人ではないからこそ、助け合いながらライドができるという幸せを感じてほしい気持ちが私にその様な行動を取らせたのだと思います。ただやはり改めて振り返ると、彼女があのような弱音を吐いていた時がグループにとっても一番苦しい場面だったと思いました。

そんな苦労を乗り越え、夕方の5時30分、やっと宜野湾市の付近まで到達しました。ここまで来ると家路につく方もいらっしゃり、那覇に向かう方は4人になりました。宜野湾市から那覇までは目と鼻の先、およそ20km弱になりゴールは目の前、嬉しいという気持ちよりも、主催者としては安心感が多くホッとした気持ちになりました。しかし自転車にまつわるあの神様はその油断につき込むかのようにあるトラブルをもたらしました。那覇まで残り10kmと迫った地点で女性メンバーの後輪が原因不明のパンクに襲われました。まさにパンクの神様が最後の最後で私達に微笑みかけてきました。しかし彼女だけでなくメンバー全員がパンク修理を経験済み、もはや歩みを止めるものは無く、早々にパンク修理を終わらることができました。

そんなハプニングもありましたが長い長いライドもついに終わりを迎えることができました。時刻は7時、ついに1日目の最初の集合地点であったFamilyMart那覇天久店に到着しそれぞれの家路につくこととなりました。

1日目と2日目、合わせて私は250kmもの距離を走破することができました。主催者である私は、皆さんをまとめ、気配りをしなければと意気込んでイベントに挑みましたが、気づけば多くの方に支えられていることに気付かされました。

今回のライドを振り返り感じたことは、準備期間を多く取ったことがこの一泊二日のライドを皆さんが怪我なく終えられた一番の要因だと感じました。また、ライド中やBBQの時に、多くの方とコミュニケーションを取ることがその人の性格をよく知る方法だと感じました。今回、高校生たちには彼らの適正を考え一人ひとりにあった仕事を任せ、イベントを通して彼らが成長するきっかけになれば良いなと考えていましたが、私の期待通りの人、もしくは期待以上の仕事をこなし私を驚かせた者もいました。そういった点ではまだまだ私自身が成長しなければならないといけないなと考えさせられたイベントになったと思いました。

そして主催者として今回のイベントを終えての一番の幸せは、メンバー皆さんが怪我なく家路につけたことだと思いながら、この記録を終えたいと思います。

実は、このライドの後に少人数ではありましたが、夜の部飲み会を開いてもらいましたが、あまりにも私が飲み過ぎ京都支部長として恥ずかしい部分をお見せする結果となったためここに記すのは止めておきます。